はじめに「VPN」という言葉をよく耳にするが仕組みがわからない…という人が多いのではないでしょうか。現代のインターネット利用において、プライバシー保護とセキュリティの重要性が高まっています。特に、リモートワークが増加する中で、安全なインターネット接続は欠かせない要素となっています。このブログでは、そんな安全な通信を実現するための一つの技術、VPNについて解説します。VPNとは?VPNとは、「Virtual Private Network」の略で、日本語では「仮想専用通信網」と呼ばれるインターネット上に仮想的なプライベートネットワークを構築する技術です。これにより、インターネットを介していても、企業の内部ネットワークと同様のセキュリティと管理下でデータを送受信することが可能になります。VPNを使用する主な目的は、公共のインターネット上でのデータの暗号化と、ユーザーのIPアドレスの隠蔽です。VPN接続の仕組みVPNの基本的な仕組みは、VPN機器との間で「トンネル」を形成し、そのトンネルを通じてデータを暗号化して送受信することです。ユーザー認証VPNクライアントソフトウェアを使用して、ユーザーはVPNサーバにログインします。トンネルの確立認証が完了すると、クライアントとサーバー間にセキュアなトンネルが確立されます。データの暗号化すべてのデータは、このトンネルを通じて暗号化されて送受信されます。インターネットの中に見えないLANケーブルのようなものが作り出されており、まるで2つの拠点を結んだかのように通信を行うことができます。データは送信前に暗号化され、受信側で復号されるため、仮にデータが途中で傍受されても内容を解読することは困難です。そのため、ネットワークセキュリティにおいては、重要な役割を果たしてきました。現代のVPNの基礎となったものは1990年台に考案されたものが多いものの、2024年現在でも枯れた技術の1つとして、さまざまなVPNが企業で使われています。実際に用いられるVPN機器VPNサーバ主に企業が用いる専用のネットワーク機器です。拠点間の接続や後述するリモートアクセスVPNを構成する際に用いられます。VPNクライアントPCなどにインストールするソフトウェアです。主にVPNサーバに接続するための機能を持っています。現代のVPNのユースケース拠点間の接続:専用線の代用として大規模なサーバルームを社内抱える企業にとって、拠点間を安全に接続できる手段はいつの時代でも重要でした。各地の工場と生産管理システム、勘定処理と在庫処理など、複数の拠点を繋がなければならないシステムは多数存在します。複数の拠点を安全に接続できるVPNは、専用のネットワーク回線を敷設する専用線に比べてはるかに安いコストで運用できるため、現代でも専用線の代用として広く用いられています。在宅勤務の促進:リモートアクセスVPNVPNは拠点同士の接続だけでなく、1対多数の接続ができるものも多く存在します。これらは、リモートアクセスとも呼ばれ、本社のネットワークに社外から安全に接続できる手段として利用されます。特に、コロナ禍においては、多くの企業が短期間で在宅勤務を実現する必要があったため、社外から社内へのリソースのアクセス手段としてリモートアクセス型のVPNを導入する例が多数見られました。VPNを利用したリモートアクセスツールを紹介している記事はこちらから。地理的制限の回避:個人向けのVPN近年では、他国を介してインターネットに接続するための個人向けVPNサービスが登場しています。従来のVPNと異なり、これらのサービスでは、他国に設置されたVPNサーバに対してリモートアクセスを行うと同時に、その経路を用いてインターネットに接続します。このようなサービスを用いると、まるで他国からアクセスしているかのようなインターネットアクセスが可能です。特定の国や地域でしか利用できないクラウドサービスの利用(海外のビデオサービスを閲覧するなど)、国家の検閲などから逃れるため、あるいは単純にアクセス元を明らかにしないでインターネットを利用するためにも用いられます。この場合のVPNは、セキュリティよりもプライバシーを保護する目的で使われていると言えるでしょう。VPNの課題複雑な設定と機器の保守多くの場合、VPNはネットワークの深い知識が必要で、その構成や設定変更には専門家の助けが必要です。また、VPNサーバは故障した場合に、拠点間の接続ができなくなるなどビジネスに大きな影響を与えてしまいかねません。これらの理由から、多くの場合、VPNはベンダーやシステムインテグレータによって構成され、定常的な保守を必要とするものになっており、一定のコストがかかり続ける機器となっています。サイバー攻撃に対する脆弱性近年、VPN機器に対する脆弱性(弱点)が多数発見され、多くのサイバー攻撃の被害に遭っています。本来、ネットワークセキュリティの要となるはずだったVPN機器が、サイバー攻撃の足掛かりとなってしまうというこの事態は、多くの企業にとってVPNの見直しを迫るきっかけとなっています。VPNの脆弱性についての記事はこちら(注意:リンク先PDF)https://www.soumu.go.jp/main_content/000722474.pdf(総務省)https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/cyber/CS_ad.files/telework4.pdf(警視庁)また、VPNは異なる拠点間同士を相互にネットワーク接続するものです。もし、サイバー攻撃を受けて侵害された端末がVPNを通じて社内に接続した際、事実上、サイバー攻撃者が社内に接続できた状態と同じ状況になってしまうことがあります。社内は無防備ということも珍しくないため、サイバー攻撃の被害を拡大させてしまう一因にもなります。個人向けVPNの信頼性個人向けVPNは、海外のサービス利用や海外旅行時に便利なものですが、現代では多数の似たようなサービスが提供されており、競争も激しくなっています。一部の個人向けVPNでは、安全なものではないにも関わらず、一見してセキュリティが向上するといった宣伝をしているものもあるほか、個人のインターネットアクセスがVPNを提供しているサービス運営側に露呈してしまう可能性もあり、必ずしもプライバシーの保護につながらないケースもあります。個人向けVPNサービスについては、その利用について慎重に検討することが重要です。まとめVPNは、安全なインターネット接続を実現するために非常に有効なツールです。特に、リモートワークが増える現代においては、個人情報の保護や企業のデータセキュリティに不可欠です。この技術を理解し、適切に活用することで、インターネットのリスクから自らを守ることができます。弊社のプロダクトCygieneは、VPNより強力で柔軟なフルマネージドトンネルをエンタープライズに提供します。Cygieneの詳細はこちらから。%3Cdiv%20class%3D%22iframely-embed%22%3E%3Cdiv%20class%3D%22iframely-responsive%22%20style%3D%22padding-bottom%3A%2052.5%25%3B%20padding-top%3A%20120px%3B%22%3E%3Ca%20href%3D%22https%3A%2F%2Fwww.skygate-tech.com%2Fcygiene%22%20data-iframely-url%3D%22%2F%2Fiframely.net%2FelfjwXT%22%3E%3C%2Fa%3E%3C%2Fdiv%3E%3C%2Fdiv%3E%3Cscript%20async%20src%3D%22%2F%2Fiframely.net%2Fembed.js%22%3E%3C%2Fscript%3E