SWG(Secure Web Gateway、セキュアウェブゲートウェイ)は、ウェブトラフィックのセキュリティを確保するためのネットワークセキュリティソリューションです。SWGは、現代では欠かせない従業員のインターネット利用をより安全にし、企業をインターネット上の脅威から保護するための次世代のインターネットフィルタとも呼ぶべきものです。本記事では、そんなSWGについて説明していきます!はじめに2020年にコロナ禍が始まってから、世界のデジタル化は一気に加速しました。オンラインで自宅と会社、会社と取引会社が繋がれてからオンラインセキュリティの重要性も同時に高まりました。そこで注目を浴びたセキュリティソリューションがSWG(Secure Web Gateway)です。本記事では、なぜ現代のデジタル環境でSWGが必要なのかを詳しく解説します。SWGとはSWGは、ウェブトラフィックの検査を行い、ウェブトラフィックの中に潜むセキュリティリスクを発見し、ブロックなどの措置を行うことができるソリューションです。危険なサイトや指定したサイトへのブロックのほか、ウェブトラフィックに含まれるマルウェアを発見しブロックするなど多彩な対応を行うことができます。これにより、ユーザーが安全なインターネット環境で作業できるようになるものです。従来のウェブゲートウェイとの違い従来のウェブゲートウェイは、ウェブサイトのURLや通信先のドメインをチェックするものでした。しかし、現代においては、URLやドメインだけでは安全性は判断できず、通信内容に応じた制御が必要不可欠です。 例えば、従業員が個人のアカウントを社内で利用したり、社内で提供しているクラウド上で不審な操作を行なっても、URLだけでは危険性を判定できず、適切な制御ができません。また、正規のウェブ通信を装うマルウェアなどの判定も困難です。SWGは、ウェブのトラフィックをより細かに検査することで、より緻密なチェックと制御を可能とした次世代型のインターネットフィルタとも言うことができます。デジタル化の進む現代社会における課題①インターネット上の脅威の増加インターネットを介した攻撃、マルウェアやフィッシングサイトなどのサイバーセキュリティの脅威が増加しています。ウェブトラフィックを適切に監視して、悪意あるサイトやコンテンツに対するアクセスを適切に制御できなければ、従業員やエンドポイントはインターネットを介した脅威に晒されることになります。今やインターネットに繋がらない企業はなく、インターネットアクセスに特化したセキュリティは従来より大きく重要性が増しました。②新しい働き方とシャドウIT新型コロナウィルスの感染拡大以降、新しい働き方として、リモートワークやクラウドサービスの利用が急激に拡大しました。これらの変化は、業務をよりインターネット経由のものにし、今やどの企業のコンピュータもほぼインターネットに接続され、会社によってはほぼ全ての業務がウェブ経由で行えるまでになっています。これらの急激な変化は、従業員のインターネット利用を一般化するとともに、裏側では不適切なサービスの利用や業務外での使用、場合によっては個人アカウントなどの利用といったシャドウITを急激に拡大させました。多くのウェブ通信は、TLSにより暗号化されるようになったため、従来のゲートウェイやフィルタでは新しい働き方に対応したインターネットアクセスの制御が難しくなりつつあります。SWGがもたらす解決策①ウェブ経由の脅威の検出と阻止SWGは、ウェブトラフィックを監視し、安全性に問題なるサイト、悪意あるソフトウェアやマルウェアを検出してブロックすることができます。また、特定のカテゴリのウェブサイトやコンテンツへのアクセスを制限し、業務に不必要なインターネットアクセスを制限することも可能です。SWGは、ウェブを経由して社内を侵害する可能性のある脅威をブロックし、安全なインターネット利用環境を実現してくれます。②インターネットアクセスの監視と制御SWGは、インターネットアクセスを監視し、その通信内容を細かにチェックします。暗号化されている通信であっても、TLS復号化機能と呼ばれるような機能で内容をチェックすることが可能です。これにより、ユーザーの利用状況をさらに細かくチェックし、利用しているアプリケーションや通信内容に応じた制御が可能となりました。オフィスの中であろうとリモートワークであろうと、SWGを経由することで、均一的なセキュリティポリシーを適用することができるようになっています。また、SWGによっては、個人アカウントの利用を抑制したり、特定のリソースアクセスを監視またはブロックする機能が備わっているものもあります。クラウドアプリケーションのアクセス制御や認証機能と組み合わせることで、従業員のクラウドサービスをより厳密に制御することが可能です。他ソリューションとの違い1.CASB (Cloud Access Security Broker):CASBとは、クラウドアクセスのためのセキュリティソリューションです。SWGと異なり、クラウドサービスの利用状況の可視化やクラウドサービス毎の制御ができることが特徴です。SWGと同様に、シャドウITに対しても威力を発揮しますが、CASBはよりクラウドサービスに対する充実した機能を持っており、クラウド利用に関するリスクをコントロールする内部統制の強化にも寄与するソリューションといえます。対するSWGは、ウェブトラフィックの検査を行なうセキュリティ対策を提供しており、CASBよりも広くインターネットアクセスに関するセキュリティを提供することが特徴です。マルウェア検知やカテゴリ別サイトブロックは、SWGの方が優れた機能を持っている場合が多くあります。技術的には両者は似ているため、組織のリスクに応じてどちらかを選択することになります。また、2023年現在、SWGとCASBは徐々に近づきつつあり、両方の機能を持つものも登場しつつあります。%3Cdiv%20class%3D%22iframely-embed%22%3E%3Cdiv%20class%3D%22iframely-responsive%22%20style%3D%22height%3A%20140px%3B%20padding-bottom%3A%200%3B%22%3E%3Ca%20href%3D%22https%3A%2F%2Fwww.skygate-tech.com%2Fblog%2Ffind-the-shadow-of-it-with-casb%22%20data-iframely-url%3D%22%2F%2Fiframely.net%2Fd5hBpOM%3Fcard%3Dsmall%22%3E%3C%2Fa%3E%3C%2Fdiv%3E%3C%2Fdiv%3E%3Cscript%20async%20src%3D%22%2F%2Fiframely.net%2Fembed.js%22%3E%3C%2Fscript%3E2.SASE (Secure Access Service Edge):SASEとは、クラウド環境上で展開されるネットワークセキュリティソリューションです。ユーザーに対して、安全なネットワーク環境を提供するほか、ユーザーやデバイスのセキュリティなどを評価してリスクことで、様々な場所から安全にクラウドサービスに接続することが可能です。また、異なるクラウド環境間で一貫したセキュリティポリシーの適用も実現しており、安全かつ便利な機能を持ち合わせている技術です。SWGは安全なインターネットアクセスに特化したゲートウェイであり、対するSASEはどこでも均一的なセキュアなネットワークを提供するソリューションです。ただ、両者の機能は徐々に近づいており、ソリューションそのもののクラウド化も進んだ結果、SASE上にSWGが構成できるサービスやSWGとSASEを切り替えて使えるようなソリューションも登場しつつあります。%3Cdiv%20class%3D%22iframely-embed%22%3E%3Cdiv%20class%3D%22iframely-responsive%22%20style%3D%22height%3A%20140px%3B%20padding-bottom%3A%200%3B%22%3E%3Ca%20href%3D%22https%3A%2F%2Fwww.skygate-tech.com%2Fblog%2Fsecure-access-from-anywhere-by-sase%22%20data-iframely-url%3D%22%2F%2Fiframely.net%2FEpVb60B%3Fcard%3Dsmall%22%3E%3C%2Fa%3E%3C%2Fdiv%3E%3C%2Fdiv%3E%3Cscript%20async%20src%3D%22%2F%2Fiframely.net%2Fembed.js%22%3E%3C%2Fscript%3E3.VPN(Virtual Private Network):VPNとは、インターネット上に安全な仮想トンネルの機能を構成するソフトやソリューションのことを指します。VPNは、特定区間の通信を完全に保護するため、盗聴や改ざんを防止できるほか、リモートワークで自宅と会社を繋ぐソリューションとしても広く選ばれています。一方、VPNそのものには、リスクのあるインターネットアクセスや通信の遮断機能があるわけではなく、そのほかのネットワーク型のセキュリティソリューションと組み合わせなければ、高度な制御はできません。また、どちらかといえば、本社と拠点のように内側同士を繋ぐ手段で、インターネットに接続するための手段ではありません。まとめSWGは、ウェブトラフィックを保護し、制御するための重要なセキュリティソリューションです。不適切なコンテンツへのアクセスを制限し、マルウェアの感染やデータ漏洩を防ぐことで、企業のネットワークセキュリティを向上させ、ビジネスリスクを軽減します。SWGは、Web通信を使用したビジネスが主流となっている現代において、企業に必要不可欠なセキュリティ対策です。